結膜母斑(色素沈着、白目のシミ)に対するレーザー治療

結膜母斑(色素沈着、白目のシミ)に対するレーザー治療

白目にシミやできものがあり、鏡をみて気になる方もおられるのではないでしょうか。シミの種類によっては、日帰りレーザーで取り除くことができます。膨らみのあるできもの(腫瘍:しゅよう)の場合は、切除治療が適応となります。

黄色い枠内のような浅いところの茶色いシミの場合は、レーザーで除去することができます。

白目のシミは、正式には結膜母斑(けつまくぼはん)といいます。
結膜母斑とは、白目を覆う結膜に、メラニン細胞による色素沈着を生じる良性結膜腫瘍です。
結膜母斑は、臨床形態から表在性(ひょうざいせい)と深在性(しんざいせい)に分けられます。

 

〇表在性母斑

平らな茶色がかった色をしています。
周囲の血管と繋がりはなく、触ると強膜上を動き、嚢胞(のうほう:体液の貯まった袋状のもの)はみられません。
結膜の鼻側>耳側>上下の順にできやすいことが分かっています。
治療は、レーザー治療で取り除くことができます。

○深在性母斑

隆起(りゅうき:盛り上がっている様子)しており、嚢胞(のうほう:体液の貯まった袋状のもの)を含むことがあり、周囲からの栄養血管があります。
盛り上がっている腫瘍に対する治療は、基本的に、切除して病理検査での精査が必要となります。

結膜にも、悪性黒色腫(メラノーマ)を生じることがありますが、欧米ではしばしばみられますが、日本ではまれな疾患とされています。
結膜の隆起を伴う黒褐色病変で、腫瘍に向かって血管が豊富にみられます。切除した組織の病理検査により最終診断がなされます。

結膜にできるできものの中には、翼状片や瞼裂班などのような色素沈着の乏しいものもあります。

レーザー治療の適応となるのは表在性母斑です。
深在性母斑は、切除が基本的な治療となり、症例によっては、病理検査を行い悪性腫瘍ではないかの精査が必要となります。
切除治療では、術後に組織の瘢痕化やひきつれが新生血管が起こりやすいですが、レーザー治療では結膜下の組織にダメージが少ないため、そのような術後合併症は起こりにくくなります。

白目のシミや、できもの、色素沈着が気になる際には、お気軽にご相談ください。

手術方法

点眼麻酔を行い、眼科専用のアルゴンレーザー機器により、レーザーを病変部に照射します。

点眼麻酔をしますので、痛みはほとんどありません。

レーザー後に、綿棒でシミの部分を軽くこすることで、シミを除去することができます。

時間は5~10分程度かかります。(広範囲の場合は、何回かに分けてレーザーを行う場合があります。)

術後に、抗生剤点眼と弱いステロイド点眼を処方致します。

点眼薬は、異物感が消えるまで、1週間ほど使用して頂きます。

術後診察は、翌日、1週間後、1か月後の受診が目安となります。

効果

1回目のレーザーで80%の方が、結膜の色素沈着が除去されます。
シミが広い範囲や濃い場合には、10数%の方が2回、数%の方では複数回のレーザーが必要となることがあります。

術後合併症として、異物感や結膜下出血を生じることがありますが、1か月以内にはほとんどの方が改善します。

費用

医療保険の適応となりませんので、完全自費診療となります。

  費用
片目 30,000円(税込)
両目 50,000円(税込)

(診察・薬剤・手術費用をすべて含みます。)

シミが広範囲の場合には、何回かにわけてレーザーを行うことがあります。その場合、追加の費用は不要です。

当院での施行例

レーザー前

結膜に薄い茶色のシミがみられます。
綿棒で触ると、可動性があります。

レーザー直後

レーザー後に綿棒で軽くこすると、しみが除去されます。
治療後は、少し異物感がありますが、数日で改善します。

 

TOPへ